![《プリント地デザイン[木立]》](/static/top-kodachi-1b368563060028e042b5b9dda281d3bd.png)
《プリント布地デザイン[木立]》 1925-35年頃
ウィーンと京都で活躍したデザイナー、上野リチ・リックス(Felice [Lizzi] Rix-Ueno, 1893-1967)*の世界初の包括的回顧展を開催します。芸術爛熟期のウィーンに生まれたリチは、ウィーン工芸学校卒業後、ウィーン工房の一員として活躍し、日本人建築家・上野伊三郎との結婚を機に京都に移り住みます。
戦前はウィーンと京都を行き来しながら、壁紙やテキスタイルなどの日用品や室内装飾など多彩なデザインを手がけました。戦後は夫婦ともに現在の京都市立芸術大学で教べんをとり、後にはインターナショナルデザイン研究所を設立して、後進の育成にも尽力しました。本展は、京都国立近代美術館所蔵の多くのリチ作品に加え、オーストリア応用芸術博物館/現代美術館(ウィーン)など国内外の機関からリチそして関連作家の作品を招来し、約370件によって色彩豊かな魅力あふれるリチのデザイン世界の全貌を明らかにします。
*上野リチの結婚前の正式な名前はフェリーツェ・リックス(Felice Rix)で、「リチ(Lizzi)」は愛称です。結婚後の名前をリチ自身は、ドイツ語式に「Felice Ueno-Rix」と綴り、自ら愛称を用いて「Lizzi Ueno-Rix」とも記しています。ただ、日本では後年の勤務先である京都市立美術大学でも「上野リチ」とその名が記載されているため、本展覧会でもその表記を踏襲しつつ、「上野リチ・リックス」を正式な表記として採用しています。また、欧文表記については、英語式を採用し、「Felice [Lizzi] Rix-Ueno」としています。なお文中では、煩雑さを避けるため、「リチ」「Lizzi」と表記しています。
上野リチ・リックス / 上野伊三郎
《スターバー:内装デザイン(1)》
1930年《ウィーン工房壁紙:そらまめ》 1928年
《イースター用ボンボン容れのデザイン(2)》 1925-35年頃
《プリント服地デザイン[象と子ども]》 1943年
《七宝飾箱:馬のサーカスⅠ》 1950年頃[1987年再製作]
《プリント地刺繡ハンドバッグ・デザイン》 1935-44年
《プリント服地 [野菜]》
1955年頃[1987年再製作]

撮影者不詳《ポートレート:
上野リチ・リックス》1930年代
上野リチ・リックス略歴
1893年(0歳) | ウィーンに生まれる |
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1912年(19歳) | ウィーン工芸学校入学 |
1917年(24歳) | ウィーン工芸学校卒業・ウィーン工房に参加 |
1925年(32歳) | 上野伊三郎と結婚 |
1926年(33歳) | 来日し、京都市に上野建築事務所開設、美術工芸部主任に就任 ~1935年まで京都とウィーンを行き来する生活を送る |
1930年(37歳) | ウィーン工房退職 |
1935年(42歳) | 京都市染織試験場図案部技術嘱託(~1944年) |
1936年(43歳) | 群馬県工芸所嘱託(〜1939年) |
1951年(58歳) | 京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)工芸科図案専攻講師(1960年に教授) |
1963年(70歳) | 京都市立美術大学定年退職・インターナショナルデザイン研究所設立 |
1967年(74歳) | 京都市内の自宅にて死去 |

撮影者不詳《ポートレート:上野リチ・リックス》1930年代
開催概要
2022年2月18日(金)ー 5月15日(日)
会場 | 三菱一号館美術館 |
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開館時間 | 午前10時~午後6時[祝日を除く金曜と会期最終週平日、第2水曜日、開館記念日の4月6日は午後9時まで] ※入館は閉館の30分前まで |
休館日 | 月曜日、展示替えの4月12日(火) ※2月28日、3月21日、3月28日、 4月25日、 5月2日、5月9日は開館 |
主催 | 三菱一号館美術館、朝日新聞社 |
後援 | オーストリア大使館/オーストリア文化フォーラム |
特別協力 | MAKーオーストリア応用芸術博物館、ウィーン |